前回紹介した“39番目の夢”。 先日亡くなられた川村かおりさんの曲でお気に入りの一曲。 純粋に気に入ってくれた人も多いと思うが、ある程度の年齢の人だとその歌詞を青臭く感じてしまう人もいたかもしれない。 俺自身、過去にこの曲を知った時には後者の方で、単なる理想にしか聞こえなくもない歌詞に違和感を感じた。 そんな一曲だったのだが実は今は純粋に気に入っていてここで紹介したのだが、それにはそれなりの理由がある。 というのも、生前のかおりさん本人にその事を聞いてみた事がある。 その時の俺が感じ思った印象を言葉にする上で、うろ覚えの部分もあるので本人の口から事実出た言葉とは多少の違いがあるかもしれないのを前提に、あくまでも俺の見解として捉えて欲しいのだが、「大人になった視点で自身が無知で未熟だった若かりし頃の行動や作品に対する自己批判や恥ずかしさは無いのか?」と聞いた所、きっぱりと「そんなの無い、それらの過去も含め自分自身だ!! 」と。 この時にやはり彼女は素敵な人だなと思った。 これはもちろん女性や男性としてではなく人としての話だ。 個人的に俺自身も過去の自分自身を否定する人(背伸びしたい人?)には疑問を感じるし、自分自身も常にそうありたいと考え自身の過去を極力受け入れる(開き直る事や間違いをも肯定し続ける事とは意味が異なる)ようにしているつもりだ。 少し話をそらすが、だからこのサイトでは、自身の価値観の幅が狭かった時の過去のコンテンツと、その時よりは幅が広がったであろう現在の見解とが異なる物、を比較できるようにする為あえて過去の物を削除しないようにしている。 それにより、若い人達が他人の成長過程を客観視する事により真実を見る目が養えるのではないかと考えている。 世の書などの情報の多くは、どうしてもプロセスでの失敗、努力、葛藤といった見え難い部分の存在を想像させる事が少なく、最終結果重視な物が多い為、若者が“主体的に考える”という力を失わせ、単に結果について述べられているに過ぎない情報を得る事で実は自身は何の力も養えていないに関わらず、想像力無く自身もそのプロセスを体験したかの如くその気にさせているだけにすぎない気がしてならない。 まさに「最も最新で無駄の無い合理的な答え(結果)=スマートで洗練されている賢い人の求める物」という思い込みという狭い枠の中でしか思考出来ていない思考停止状態に陥っているのではないだろうか。 そんな構図が成り立ってしまうのであれば、仮に相対性理論が最新理論だったとして、本質も意味も分かっていないに関わらず、とりあえず丸暗記して「俺、相対性理論をぜんぶ紙に書く事ができるで〜!!」と自慢している阿呆と同じである。 いい歳してそれでは 、ちびっ子ビックリ人間大集合で円周率を100桁くらいまで丸暗記してママに褒められて喜んでいる幼稚園児と同じではないか(それはそれですごい事だとも思うが)。 他人を否定した所でおよそ生産性は無いのでこの辺にしておくが、それらも含めて最初は「青臭い」と感じた人には、この文章での見解を踏まえもう一度ゆっくりと聞いてみて欲しい。 もしかすると、この文章を目にする前とは違った解釈ができて自身が成長した瞬間を感じて貰えたら幸いだと思う。
歌詞の最後「何の為に生きているかなんて一生わかりませんように 死ぬまでわかりませんように 死ぬまで」。 ある意味真理であろうとも言えるこの一言が本人にとってどうだったのかは今となっては誰にも分からない。
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Date: 2009/08/26(水)
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